「侍の5番よ? 打つに決まってる」 純朴な19歳オリ宮城の溢れる才能に指揮官も感嘆
中嶋監督「宮城が打ってくれたら野手も火がつくでしょ」
しかも本人は「その後がちょっと悪かった」と、第2打席以降の3打席連続三振を反省したのだから恐れ入る。「警戒されちゃって、フォークが来たのでびっくりしました」と苦笑した通り、相手2番手の中川と対戦した第2打席で1球、第3打席では2球フォークを投じられた。「まずは打席よりピッチングですが、その次にチームに貢献できるバッティングをしていきたい」と大真面目に語った。
中嶋聡監督は「ジャパンの5番よ? 打つに決まってんじゃん」とおどけた後、「宮城がああやって打ってくれたら、野手も火がつくでしょ。それは本当に思います」と目を細めた。沖縄・興南高3年の夏は県大会決勝で惜敗したが、高校日本代表に選ばれ、甲子園大会後に韓国で行われた「WBSC U-18ワールドカップ」に出場。3試合に登板して防御率1.04をマークする一方、打っても打率.375(8打数3安打)。「6番・左翼」で2試合にスタメン出場した他、オープニングラウンドのパナマ戦では5番打者の代わりに試合途中から左翼の守備に就いた。
あまりの完成度の高さ、早熟ぶりに来季以降伸び悩まないか心配になるが、少なくとも本人に慢心はない。「一発が続いているので、次はなくしたいです」と3試合連続で本塁打を浴びている点を反省した。
出身地の沖縄・宜野湾市はDeNAの春季キャンプ地。「中学生の頃に見に行ったんですけど、(沖縄出身の)嶺井さんとかしか名前がわからなくて……。当時はプロ野球自体があまりわからなかった」と語る純朴さはそのままに、どこまでも伸びていってほしい若武者だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)