単なる“懲罰交代”にあらず… 凡ミス桑原にチャンスを与えたDeNA三浦監督の思い
桑原は2回2死満塁で飛球を落球、3点タイムリーエラーとした
プロらしからぬプレーもあった。2回2死満塁でモヤが打ち上げた平凡な飛球を、センターの桑原将志外野手が落球し3点タイムリーエラーに。この時点で0-7の絶望的なスコアとなった。桑原は今月12日の巨人戦でも、9回2死から内野フライを打ち上げた際、全力疾走を怠り、相手野手が落球したにも関わらず一塁ストップの失態を演じた経緯がある。
この日は3回の第2打席で中飛に倒れると、4回の守備からベンチに下げられた。三浦監督は「らしくないエラー。次の打席も見ましたが、代えました」と“懲罰交代”に至ったことを明かしたが、2軍落ちは「今のところない」と明言した。
エラー直後にバッサリ代えるのではなく、名誉挽回のチャンスを1打席与えたところが“ハマの番長流”と言える。必ずしも頭ごなしに叱った選手が奮起するような時代ではない。簡単に他の選手に代えられるほど、戦力に恵まれているわけでもない。
三浦監督は現役時代、日本一に輝いた1998年にも12勝を挙げて貢献したが、5年連続最下位(2008~12年)&10年連続Bクラス(06~15年)の暗黒時代にエースとして奮闘した時期が圧倒的に長い。チームが泥沼にはまっていくパターンは熟知している。建て直しにどんな手腕を発揮するか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)