「桑原がしっかり準備してくれた」 DeNA三浦監督が懲罰交代から一夜明けて称えた真意

平凡フライ落球で懲罰交代も…三浦監督「途中から行くぞ」

 それでも三浦監督は、一夜明けたこの日の試合前、桑原にも「途中から行くぞ」と声をかけたと言う。桑原自身、気分転換のためか、あえて雨が降るグラウンドに出て関根大気外野手とともに外野ノックを受け、笑顔を見せる姿があった。

 三浦監督は神里をスタメンで起用した理由を「状態が上がってきていたし、相手の先発が右投手(張奕)ということもある(神里は左打ち、桑原は右打ち)」と説明し、前日のエラーとの関連を否定。「昨日は昨日、今日は今日です」と語気を強めた。

 その桑原の出番は8回に巡ってきた。先頭のオースティンが二塁打を放つと、その代走として出場。続く宮崎の遊ゴロの間に三塁へ進み、ソトの右犠飛でダメ押しのホームを踏んだ。9回には中堅守備にも就いた。三浦監督は試合後、「桑原が好判断で三塁に行ってくれたからこそ、犠牲フライで追加点を取れた。しっかり準備してくれていた」と褒めた。

「ハマの番長」の異名を取る三浦監督だが、神経は実に細やかで、コミュニケーションを重んじる。無気力に映るプレーにはきっちり苦言を呈しながらも、しつこく咎めることはなく、翌日には持ち越さない。選手層が決して厚くない事情もあるのだろうが、1度の失敗でチャンスを剥奪することはない。それだけに、選手にはなおさら同じ失態を2度と繰り返さない自覚が求められると言えそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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