パ・リーグで最も速く一塁を駆け抜けた選手は? 今季の内野安打一塁到達トップ5

右打者最速はオリ中川圭、最遅内野安打は?

 1位を紹介する前に、すっかり恒例となった「番外編」として、ふたつのトピックを紹介したい。まずは、右打者の内野安打について。中川圭太内野手(オリックス)が記録した4秒01が最速だった。一般論として、右打者は左打者と比較して一塁ベースへの距離が遠いため、どうしてもタイムが遅くなる。2位の源田と中川圭のタイムを比較すると、タイム差0秒17で右の中川圭の方が遅かった。

 だが、右打者でも左打者とほとんど遜色のないタイムが出ることがある。それは、外角の変化球に体を泳がされて、バットを投げ出すようにしてゴロを打ったケース。左足を一塁方向へ踏み込むようにしてスイングするため打った体勢がそのままスタートとなる。中川圭が好タイムになったのは、まさにその形だった。

 とはいえ、その局面を意図的に作り出せる技術を持つ選手は少ない。右打者の一塁到達は偶然、この形になった選手が突発的に好タイムを記録することがある。中川圭は決して足が遅いわけではないが、パ・リーグにはもっと速いタイムを出せそうな右打ちの俊足選手は他に複数いるので3秒台が出ることも期待していいだろう。

 もうひとつの番外編は5秒57という「一塁到達最遅の内野安打タイム」。中田翔内野手(日本ハム)が記録したものだが、ハーフスイングのバットに投球が当たってしまい、一塁線のファウルラインギリギリに転がったゴロが切れそうで切れなかったという珍しいパターンだ。

 本来ならば一塁線にボールが差し掛かったあたりで、打球を追ったロッテの新人左腕・鈴木昭汰投手がサッと捕り、中田にタッチすればアウトになる位置関係だった。ところが、鈴木がファウルにすることを選択したため中田は再び一塁へ走り出し、結局、ボールは切れずにセーフになった。

 鈴木はこの打球で中田をアウトにせず、ファウルにしてもう一度勝負したかったのだろうか? だとすれば、なかなか肝の座ったタマである。ドラフト1位はダテじゃない。駆け抜けタイムとは何も関係ないが(笑)、選手の気質が読み取れたという意味で大変奥深いシーンだった。

1位は西武・源田で3秒80、“圧”で勝ち取った内野安打

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