巨人戦の連勝が14で止まったソフトバンク 9回の選手起用は“最善策”だったか?

9回に中村晃の代走に真砂を起用したことで、ベンチから右の代打が…

 この9回の攻防で惜しむらくは、9回の先頭で中村晃の代走に真砂を送ったことか。左が5人並ぶ攻撃。巨人ベンチは右打者を迎えるまで中川を引っ張るつもりだっただろう。となると、ベンチに右の代打を残しておきたかったところだが、選択肢は捕手の海野しか残っていなかった。代走には周東ないし、同点の走者のために周東を残しておきたかったのであれば、高田という選択肢もあっただろう。

 明石は長谷川、川島と並ぶソフトバンクの代打の切り札の1人でベンチの信頼は厚い。「右は海野くんしかいない。明石くんが左を苦にするわけではない」と工藤監督は語っていた。だが、今季は右投手に対して35打数8安打、打率.229である一方、左投手とは2打席しか対戦しておらず、1打数0安打の打率.000。牧原大に川島を送っているように、右対左、左対右の対戦を大事にする工藤監督であれば、どうせなら右投手に対して打席に立たせたかったはずだ。

 となれば、真砂を代打要員として残し、上林のところで代打・真砂を送る。巨人ベンチがデラロサにスイッチしたならば、ここで代打の代打で明石を投入。あくまでも結果論、粗探しにはなってしまうが、これがベンチとしての“最善策”だったのではないだろうか。

 たとえ、このように起用したところで、9回に逆転できていたかどうかは誰も分からない。この3連戦は2勝1敗とソフトバンクが目指す勝ち越しを掴み、指揮官も「勝つときもあれば、負けるときもある」と淡々としたものだった。“たられば”だが、あの場面で「代打・真砂」の選択肢が残っていれば……と感じざるをえない敗戦だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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