6連続QS中の菊池雄星 フィールドに転がる情報を集める鋭い“観察眼”
「真っすぐを弾き返せていないなと、3日間見て思ってました」
「自分のベストを毎試合出すだけですから。あまり将来(今後)のことというよりも、今日のベストを出したという感じですかね」
深読みはあっさりと斥けられた。しかし、多投した根拠は明確にした。
「真っすぐを弾き返せていないなと、3日間見て思ってました。実際、前にも飛んでなかったですしね。変に中間球というか、カットを投げるよりも、押していった方がいいんだろうなっていうのはありました」
同一カード4戦目を任された菊池は、本拠地T-モバイル・パークの一塁側ダグアウトからフィールドに転がる情報を集めていた。この日の20アウトの2つは、用意されたスカウティングレポートからではなく、観察眼で得た相手の弱点を徹底して突いたこととつながっていた。
バランスのいいフォームが生む力を指先の一点に集中させ、リリースポイントで理想的な爆発力を起こすコツをつかんだ菊池。次回登板は6月5日(同6日)の敵地・エンゼルス戦に決まった。豪快な打撃でリーグの本塁打王争いを演じている花巻東高の後輩、大谷との2年ぶりの対決が実現する可能性がある。
球速も球威も増したストレート。菊池雄星は大谷翔平にどう使うか。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)