吉田正を上回る高打率男、抜群安定感の鷹助っ人右腕 セイバー指標で選ぶパ月間MVP

ソフトバンクのニック・マルティネス【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのニック・マルティネス【写真:藤浦一都】

先発では鷹マルティネス&楽天ドラ1早川が貢献度「大」

【投手部門】

 投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。

 各チームのRSAA上位3人は以下の通り。

楽天:早川隆久5.53、田中将大4.43、瀧中瞭太3.27
ソフトバンク:マルティネス5.34、モイネロ2.15、津森宥紀1.56
ロッテ:美馬学1.96、佐々木朗希1.19、横山陸人1.00
オリックス:山本由伸3.65、比嘉幹貴2.69、宮城大弥0.62
西武:平良海馬4.45、今井達也3.88、ダーモディ3.05
日本ハム:河野竜生2.78、伊藤大海2.42、上沢直之2.09

 ソフトバンクの月間救援防御率は1.71。森唯斗が離脱した後も好成績を残している。その原動力となったのはモイネロである。10試合登板で無失点、奪三振率11.7、被打率.065、WHIP1.00を記録した。

 無失点と言えば、平良海馬は月間12試合登板で無失点、奪三振率11.7、被打率.122、WHIP0.73と安定。クローザーとして3セーブをあげた。河野竜生は5月の登板10試合無失点を記録し、中継ぎとしてチーム1位の貢献を示している。

 先発陣に目を向けると、2投手の貢献が目立った。

 ニック・マルティネス:RSAA5.34
登板5、32回、防御率1.97、QS率80%
被本塁打2、奪三振率9.56、K/BB6.80
被打率.200、被OPS.520、WHIP0.88

 早川隆久:RSAA5.53
登板5、31回1/3、防御率3.73、QS率20%
被本塁打2、奪三振率8.33、K/BB4.83
被打率.265、被OPS.704、WHIP1.15

 両投手とも今季加入した新戦力。昨年まで日本ハムに在籍していたマルティネスは、ストレートの球速が上昇、チェンジアップ、ナックルカーブで空振りを量産できるようになった。楽天のドラフト1位ルーキー早川はチェンジアップ、カットボールの空振り率が10%を超えている。

 貢献度は僅差であるが、セイバーメトリクスの各指標が優れているニック・マルティネスを5月の月間MVPに、また、月間MVPルーキー賞として早川隆久を推挙する。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ・ラジオ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。一般社団法人日本セイバーメトリクス協会会長。

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