「成功からは学べない」 鷹・工藤監督、盗塁失敗の周東を責めなかったワケ
「ファーストで止まっているようではウチの野球じゃないかなと思う」
9回のチャンスが2度の走塁死により、実らなかったソフトバンクだが、試合後の工藤公康監督は淡々としたものだった。
柳田が二塁を狙った最後の場面について「あそこはいかなきゃ駄目ですね」と積極性を高く評価する。1つ先の塁を狙うのはソフトバンクのスタイルだけに、指揮官は「ファーストで止まっているようではウチの野球じゃないかなと思う。行って、セーフになる、アウトになるはしょうがない。(二塁までいけば)もう1本でサヨナラですからね」と称えた。
また、ウエストされて盗塁に失敗した周東に対して、工藤監督は「走ってアウトになることは悪いことじゃない」と言う。周東に求めたのは“学び”。「失敗したところから学ぶのが大事。成功したところからは、自信はついても、駆け引きとかは学べない」と語った。
周東はサヨナラの走者。1死となり、打席には最も期待できる柳田がいる。ワンヒットでサヨナラにするために、二塁への盗塁を狙いたい場面。それは、広島バッテリーも十分に理解している状況だった。「1ストライクになって、走ってくるだろうからバッテリーは1球くらい外すだろうな、というのを学んでくれたらいい」と指揮官は語り、失敗を“糧”にすることを望んでいた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)