なぜ前日4安打の三森をスタメンから外したか? 鷹・工藤監督が語った理由
三森は10日の広島戦では左腕の玉村、塹江から4安打を放っていたが…
■ヤクルト 1ー0 ソフトバンク(11日・PayPayドーム)
ソフトバンクは11日、本拠地PayPayドームでのヤクルト戦に0-1で敗れた。先発の石川柊太が8回1失点と好投するも、打線が前日に続き繋がらず。ヤクルトを上回る7安打を放ちながら、1点も奪えなかった。交流戦は5勝7敗4分けとなり、2試合を残して2012年以来、9年ぶりに交流戦の勝ち越しを逃すことが決まった。
初回先頭の川島が中前安打で出塁しながら、続く今宮が強攻の末に一ゴロ併殺打。3回2死から連打で一、二塁を迎えるも、これも実らずに、石川の前に6回まで無失点に封じられた。7回には1死から連続四球でチャンスを作ったが、後続が凡退。さらに8回には2死から栗原が二塁打で出塁。柳田が申告敬遠、中村晃も四球を選んで満塁としたが、代打・明石が痛恨の見逃し三振に終わった。
前日の広島戦後には「工夫がない」とコーチ陣に苦言を呈していた工藤監督。この日の試合後は「低めに集められたり、カウントを整えられたりしたところもある。うまくやられたなと思います。その中でもチャンスは作れている。そこが作れないと工夫が必要かなと思いますけど、今日はそこを作れたので」と評価していた。
この日、前日4安打と大当たりだった三森大貴内野手の名前がスタメンに無かった。三森が入っていた「1番・二塁」には“左キラー“川島慶三内野手が起用された。三森はここ5試合連続でヒットを放ち、打率は4割超え。前日には石川と同じ左腕の玉村から3安打、塹江から1安打を放っており、今、最もノッている選手だった。
工藤監督は試合後、この日の選手起用について「打撃コーチも考えてくれているんですよ。三森くんと石川(雅規)くんと考えたときに、ちょっとシンカーとスライダーには対応しにくいんじゃないか、というところも考えてくれた中での川島くんだった。そこは見事だったと思います」と明かしている。
結果的に川島は2安打を放って起用に応えた。ただ、三森は二塁だけでなく、一塁など内野の他のポジションも守れる。前日の勢いを買ってスタメンで使って欲しかったと感じたファンも多いはず。チグハグな攻撃に終わったソフトバンク。2012年以来、9年ぶりの交流戦負け越しの危機が迫っている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)