「サッカーのまち」に野球の風 “非エリート軍団”藤枝明誠が躍進した練習法とは?
藤枝明誠は2017年夏に初の甲子園出場、昨秋&今春の静岡大会制覇
「サッカーのまち」を自負する静岡県藤枝市で、野球文化が根付き始めている。春季高校野球静岡県大会を制した藤枝明誠は、昨秋に続いて2季連続で県王者に輝いた。野球エリートはいない地元の選手を中心としたチームの強さに迫った。
静岡県中部に位置する藤枝市。サッカー王国・静岡の中でも、清水と並ぶ“聖地”だ。日本サッカー史上初めてワールドカップでゴールを決めた中山雅史氏や、日本代表でも圧倒的なキャプテンシーを発揮した長谷部誠選手らを輩出。J3のサッカークラブ「藤枝MYFC」もある。藤枝順心高校は昨年、全日本女子サッカー選手権を連覇し、最多記録に並ぶ5度目の優勝を果たした。
そんな藤枝市に近年、野球の風が吹いている。藤枝明誠高校。サッカー部は全国大会に出場する県内屈指の強豪校だが、野球部も負けていない。2017年夏に初めて甲子園に出場。その後も毎年のように、県大会で優勝を争っている。
チームは、昨秋と今春2季連続で県の頂点に立った。今は、どの学校も「打倒・明誠」を掲げている。だが、川瀬譲二主将はチームについて、こう繰り返した。
「自分たちには力がない」