34年ぶりV狙う慶大vs北陸初悲願目指す福井工大 全日本大学選手権の頂点は?
慶大の決勝進出は2011年以来10年ぶり6度目、福井工大は出場43度にして初
全日本大学野球選手権の決勝が、13日午後1時から神宮球場で行われる。34年ぶり4度目の優勝を目指す慶大と、43度目の出場で初の悲願に向かう福井工大が対戦。両チームの打線キーマンの貢献が、勝敗に大きく関わってきそうだ。
12日の準決勝で上武大を10-6で破り、2011年以来10年ぶり6度目の決勝進出を決めた慶大。鍵を握るのは4番・正木智也内野手(4年)。東京六大学リーグで現役最多10本塁打を放つプロ注目の長距離砲は、執拗な内角攻めで苦しんできた。しかし、準決勝で今大会初安打となる先制2ランを放つと、チームの打線全体も活発に。今大会初の2桁得点で頂点に王手をかけた。
慶大打線に対し、福井工大は継投策で挑むことが予想される。頼りのリリーフエース・立石健投手(3年)は、ここまで3試合に登板し、防御率0.00。ただ、12日の準決勝・福岡大戦で4回2/3を投げており、連投の負荷も懸念される。北陸大学リーグは怪我で出場しておらず、今大会も先発は回避。立石以外の投手が、いかに抑えるかが勝負の分かれ目かもしれない。
福井工大打線の注目は、木村哲汰外野手(4年)だ。ここまで大会タイ記録である11安打を放っている右の好打者は、大会直前に選手変更でメンバー入り。当初は左腕対策で起用され、下野博樹監督も「まさかここまでやるとは」と驚きを隠せない。一方で、調子の良さに「明日もバットが折れなければ出るんじゃないか」と、最多安打記録更新にも期待を寄せている。慶大は左腕の増居翔太投手(3年)の先発が予想される。
第1回大会の王者である慶大は、1987年を最後に優勝から遠ざかっている。一方の福井工大は、過去42度の出場で最高成績は1984年と1994年のベスト4。北陸大学リーグには未だ優勝旗を持ち帰った大学はない。陸の王者の意地か、43度目の正直か――。全27チームが日本一を目指した1週間の熱戦もいよいよ大詰めを迎える。
※大会主催者は13日、大会最多安打は11本でなく、1992年の第41回大会で小田裕剛(立命大)が放った12本だったことがわかったと発表。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)