夢はNPB傘下の女子プロ野球リーグ創設 「それが私の最後の使命、やらなきゃいけない」
「どこかの会場でドラフト会議開催なんていいじゃないですか!」
投手の球速も上がっている。「昔は100キロ前後。今は120キロちょっと出す子は結構います。それでも変化球を織り交ぜたり、コーナーワークや配球を考えたりしないと真っすぐだけでは打たれますね。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップが多いかな。国内で投手最速は126キロですが、将来的には130キロを投げる選手が出てくるでしょう」とさらなる進化を予測する。
球速が上がったことで、飛距離も伸びた。以前の女子野球では当たり前だったライトゴロが守備位置の変化により、減少している。戦術的にも、簡単に盗塁ができなくなった分、ヒットエンドランが増えるなど変化が起きている。「送る、送れないによってゲームの流れが変わるので、バントも上手になっています。大雑把な野球だと勝てない一方、飛距離などを見るとスケールの大きな野球になっています」と現状を分析する。
飛距離に関しては、大学生や社会人なら両翼90メートルの球場で柵越えも珍しくないという。今後は外野にラッキーゾーンを作って本塁打が出やすくすることも検討している。「両翼85メートル、中堅110メートルぐらいにすると面白いかなと思います。バットのことも考えています。国際ルールで使われているバットは飛びますが、日本ではまだ採用されていないんです。ボールは変えず、国際ルールに合わせて、飛ぶバットに変えると面白いかもしれません」と様々なことを検証しながら、より魅力的な女子野球の形を模索していく。
その先に見据えるのが、NPB傘下の女子プロ野球だ。簡単ではないからこそ「やらなきゃいけないですね」と自分に言い聞かせるように語った濱本氏。「これまた夢ですけど、女子プロ野球がどこかの会場でドラフト会議を開催なんて、いいじゃないですか!」と豪快に笑った。四津氏の遺志を継いた濱本氏の挑戦は続く。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)