8回の好機逃して痛恨引き分け 鷹・工藤監督が語った「代打・明石」の意図

「みんなが帰ってくる時まで辛抱するところは辛抱しないといけない」

 右投手のロドリゲスに対しての左打者ということ。仮にこの回のチャンスを逃したとしても、一発で同点にできるバレンティンを9回の先頭として残しておきたい。そんな思惑がソフトバンクベンチにあった。

 ただ、明石はスタメンで起用された5月16日の日本ハム戦で2安打を放って以降、1か月以上、快音が響いていない。勝負所での代打として起用されているが、13打席連続安打なしと、状態は下降線。また、相手のロドリゲスも今季は対左打者の被打率.219に対し、右打者は.286。ただでさえ代打で結果を残すのは難しく、この策は当たらなかった。

 この日は松田、今宮をスタメンから外し、若い谷川原を起用するなど、テコ入れに動いたソフトバンク。だが、7回無死一塁で栗原に命じた送りバントは失敗。一発を放った谷川原らを下げて守りに入った7回に追いつかれた。4点を奪ったものの、そのうちの3点は押し出しによるものと、投打の歯車は噛み合わなかった。

 工藤監督はこの日の試合前にこうも語っていた。「ヘッドも色々考えて、打線がうまく回るか考えながらやってくれている。基本的にはヘッドにお任せしていますが、全く僕が何も言わないで『はい分かりました』というのはせずに『ここはこうして』と言うようにしている。怪我人がいると探り探りやらざるを得ないところがあると思っている。チームが落ち着いて、まずみんなが帰ってくる時まで辛抱するところは辛抱しないといけないかなと思います」。いまは我慢の時だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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