澤村拓一のような“救世主”になる? ロッテ“積極トレード”の狙いとは…
元中日左腕エンニー・ロメロ投手も獲得した
近年のロッテでは、シーズン途中のトレードをきっかけに活躍する選手も存在している。澤村は巨人では不振で3軍も経験するほどだったが、昨季途中のトレードを機に復活。8回を任されるセットアッパーとして活躍し、22試合で13ホールド1セーブ、防御率1.71と安定感抜群の投球を披露した。その活躍はMLBからも高い評価を受け、現在はレッドソックスで中継ぎの一角として活躍している。
岡大海外野手も2018年途中に日本ハムからトレードで加入して以降、バイプレーヤーとして1軍に定着。俊足を生かした走塁や守備だけでなく、4月21日にチーム20年ぶりの逆転サヨナラ本塁打を記録したように、速球に強くパンチ力のある打撃でもたびたびインパクトを残している。現在は和田康士朗外野手に次ぐ代走の2番手、対左投手のスタメンや代打、外野と一塁の守備固めといった、幅広い器用に応える貴重な戦力となっている。
投手と捕手に離脱者が相次いだこともあり、6月22日には借金生活に突入した。課題解決への目的意識を感じる今回のトレードが、期待通りの効果をもたらせば、ブルペンに厚みが増し、相手の機動力への抑止力が生まれることだろう。
6月16日にはかつて中日でプレーした助っ人左腕、エンニー・ロメロ投手の入団も決定し、3日連続で補強を行う積極的な動きを見せた。12球団トップの300得点超を記録している打撃力は申し分ないが、チーム防御率はリーグ最下位の4.01(22日現在)。明確な課題となっているディフェンス面が改善すれば、上昇気流に乗る可能性は大いにあるはずだ。
チームに新風を吹き込んで2位を確保する要因にもなった、澤村を獲得した昨季のトレードのように今回の補強もチームにとって“大当たり”となるだろうか。期待を背負ってマリーンズのユニホームに袖を通す2選手が、2005年以来となるリーグ優勝を狙うチームにとって救世主となるような活躍を見せてくれることに期待したい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)