高校野球の過密日程解消へ一石 “500球制限”もクリアする北海道高野連の大改革

広い北海道ならではの特殊事情も考慮

 日本高野連が今夏の第103回全国高校野球選手権大会の休養日を計3日に増やしたように、過密日程解消は時代の流れ。中5日に決着したのは、地理的な要因が大きい。

 函館や釧路など開催地から数100キロ離れているチームが大会に参加するには宿泊を伴う。長い場合、10泊程度の長期遠征になる。「疲労回復とともに、宿泊を長くしないということも考えました。(間が)2日や3日だと、そのまま残る選択肢が出てきたり、帰ってもすぐ出発となります。一旦地元に帰って、自分のグラウンドで練習して、家でリラックスして、準決勝に臨んでもらいたいということです」と横山専務理事は説明する。

 もちろん、昨年導入された球数制限も見据えての決断だ。実は1週間で500球というのは、北海道高野連にとって現実的な問題だった。例年同様7日間の日程を組んで独自大会として行った昨夏の南北海道大会では、札幌国際情報の原田航介投手(3年)が決勝の札幌第一戦の5回2死で500球に到達して途中降板し、チームも敗れた。甲子園につながらない大会だったとはいえ、その降板は大きくクローズアップされた。

 導入前の19年夏の南北海道大会でも、決勝で延長14回を戦った北照の桃枝丈投手(3年)は1週間で590球、札幌国際情報の原田投手は485球を投げた。「選手の健康管理を第一に、当然500球も視野に入れながら、どういう日程なら公平性が保てるかということも議論しました。このチームは1回戦の球数はカウントされるけど、ここはカウントされないとなるとさすがに不公平なので。そういう考えもあって、思い切って5日になりました」。

 議論の中では、中5日にすることで逆に投手1人で投げ切るケースが増えるのではないかと予想する声もあった。「逆行しているんじゃないかという意見もありましたが、やはり甲子園がかかる夏と秋はより良い状態、より納得した状況でやらせてあげたいということで落ち着きました」と経緯を明かす。

秋も同様の措置 将来的に札幌ドーム使用も

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