迷走する名門ヤンキース オーナーは自身やGMを擁護「責任の大半は選手たちにある」
メッツに敗れたヤ軍指揮官「イライラが募る」
名門ヤンキースが苦しんでいる。3日(日本時間4日)に本拠地で行われたメッツとの「サブウェイ・シリーズ」に3-8で完敗した。今季の折り返しとなる81試合を消化して41勝40敗となり、地区首位を走るレッドソックスとのゲーム差は9.5。苦戦が続く中、ハル・スタインブレナーは先日、「責任の大半は選手たちにある」などと発言し、波紋を広げている。
地元紙「NYデイリー・ニュース」は「ヤンキースはメッツに恥をかかされ、全ての話し合いは無意味に」との見出しで、ここ数日のヤンキースの動きを振り返った。
6月30日(同7月1日)に本拠地で行われたエンゼルス戦。ヤンキースは相手先発の大谷翔平投手から1回に7点を奪うなど終始リードを奪いながら9回に7失点を喫して大逆転負け。ヤンキースタジアムには「ブーン(監督)をクビにしろ」コールが響いたという。
そして翌1日(同2日)、スタインブレナーオーナーは会見を開き、次のように述べた。
「現在の結果の責任は幾分我々(オーナー、ブーン監督、コーチ陣、キャッシュマン)にもある。しかし、不安定な打線や酷い走塁を含め、責任の大半は選手たちにある。フィールドでプレーしているのは彼らだ。世界最高レベルのリーグでプレーしている非常に才能に恵まれた集団。彼らが問題を解決する必要がある」。不振の原因のほとんどは選手にあると断じる一方で、キャッシュマンGMの手腕を称えた。
「ブライアン(キャッシュマン)と私は長年タッグを組んでいる。彼は非常に知性がある。我々は非常にいいコミュニケーションが取れている。彼の仕事ぶりは素晴らしいと思う。スプリングトレーニングを終えた時点で、我々が編成したこのチームは非常に優秀だった。彼ら(選手)はポテンシャルを発揮していない」
さらに同オーナーは、チームを改善させるために、ぜいたく税を課される総年俸額を超えることも間違いなく検討するとの考えも表明した。
現状打破のため、選手たちも懸命のようだ。6月29日(同30日)には主砲のアーロン・ジャッジ外野手の呼びかけで、選手によるミーティングが開かれたという。
しかし、出直しを図ったメッツ戦も完敗。試合後のブーン監督は「イライラが募る。間違いなく全員が腹立たしく思っている。我々はもっと高い位置に目標を定めているが、現時点ではそれに届いていない。いいプレーをして、自らを勝利に導けるよう素晴らしいチームになる必要がある」と語った。ここ7試合の戦績は1勝6敗。名門球団はここから這い上がることができるだろうか。
(Full-Count編集部)