「もういいかな」 19歳での引退から復帰…元侍女子代表、126キロ右腕の“覚悟”

高校で日本一、日本女子の野球W杯6連覇にも貢献

 トップ選手の道を走ってきた。京都両洋高3年だった18年に高校選手権で優勝投手になり、侍ジャパン女子代表としてフロリダで行われた女子野球ワールドカップに出場して6連覇に貢献、19年には女子プロ野球入りした。「去年やめる時には、全部夢は叶えたし、もういいかなという思いでした。そう言い聞かせていたのかもしれません」と坂原は苦笑混じりに明かす。野球から完全に離れたことで、野球の存在の大きさに気がついた。

 時々母校の練習に顔を出すようになった坂原の心境の変化を京都両洋高の上田監督は見逃さなかった。「女子プロをやめた時に誰もが『なんでやめるの?』って言うような選手でしたから。ただ、それほどの選手が自分でやめると決めたので、簡単に『またやったら?』とは言えないですよね。でも、諦めてはいなかったです。どこかで気が向いてくれないかなと思っていました。練習に来て、体を動かしている姿を見て、野球がやりたいんだなと思いました。それで『やれる場所はあるよ』と伝えたんです」と上田監督は語る。

 その場所とは、上田監督が高校と同時に指揮をとるクラブチームの東近江バイオレッツ。滋賀県東近江市に拠点を置く設立4年目の地域密着型チームだ。坂原は「上田先生のひと言で救われたというか、踏み出すことができました」と飛び込んだ。

監督に恩返しを、そしていつか再び侍ジャパンに

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