阪神、大山が11試合ぶりに4番復帰も大敗 OBが指摘する「疑問が残る」タイミング
サンズ、マルテが“代役4番”として結果を残すも
野口氏は「矢野監督は大山の状態が戻り次第、4番に戻そうと考えていたはず。最初から戻すことありきの、リフレッシュのための6、7番降格だったと思います」と推察。「実際、大山が打って阪神が勝った試合は数多いですし、チームのムードも大山が打った時に最も盛り上がります」と指摘する。
ただし、「この日から4番に戻したのはタイミング的にどうだったのか、疑問が残ります。前日の9日の大山は、巨人先発の戸郷に2三振1四球で全くタイミングが合っていなかった。代わりに4番を務めていたマルテの胸中は果たしてどうだったのか……。むしろ、大山が決勝3ランを打った翌日の9日から4番に戻しておけば、周囲も納得しやすかったのではないか」と首をひねった。
大山が降格した後の4番の座は、当初サンズが3試合務め、その後は7試合連続でマルテが座り3本塁打。8日と9日にも2試合連続本塁打を放っていた。マルテには4番を外される理由はなかった。
とはいえ、1度大山を本来の4番に戻したからには、もう簡単には動かせない。野口氏は「今季の阪神の行方は、大山が握っている部分が大きいと思います。もちろん、それにふさわしい実力を持っていますが、反面、不器用なタイプで、困った時の軽打などのごまかしが利かない。いったん不調に陥ると成績に直結してしまう所が心配です」と分析する。10日現在、打率.256、10本塁打42打点とまだ本調子ではない大山だが、16年ぶりVへの鍵はこの男が握っている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)