「東海大相模に行く可能性がある」 監督退任報道に戸惑いも…ナインが団結したワケ
報道に驚いたナイン「絶対に原監督を甲子園に連れていく」
東海大静岡翔洋が放った安打は3本だったが、数字以上の強さを感じさせる一戦だった。「安打で返すのは理想かもしれないが、得点の仕方はそれだけではない。無安打での得点は相手にもダメージを与えられる。先制点で主導権を握り、絶対に得点がほしかった7回にも1点取れた」。原監督の掲げる“負けない野球”を選手が体現した。
初戦を突破し、原監督とナインが一緒に過ごす時間は続く。2打点を挙げた落合は「監督の野球に対する熱い思いで自分の価値観は大きく変わった。常に熱く接してくれる監督に、負けない気持ちでぶつかっている。この大会が最後になるかもしれないと聞いて、チームで甲子園を目指す思いは強くなった」と力を込める。
7回1安打無失点と好投したエースの鈴木豪太投手も「報道には驚いたが、監督が最後になるかもしれないということでチームがより団結した。絶対に原監督を甲子園に連れていく」と誓った。鈴木の武器は140キロを超える直球。だが、原監督からは「スピードを気にするな」と言われてきた。大事なのは球速ではなく投球の組み立て。この試合でも相手打者の反応を見ながら変化球でタイミングを外し、的を絞らせなかった。
2回戦は18日。ノーシードから頂点まで登り詰めるには、6試合が控えている。「心をひとつに生徒の背中を押せるようにしたい」と原監督。大会に参加する静岡109校の中で一番長い夏にする。
(間淳 / Jun Aida)