「申し訳ないけれど理解できない」OBが疑問視した阪神バッテリーの“痛恨の1球”

ボールにするつもりでも「非常に危険なコースだったことは間違いない」

「考えてみてほしい。あの場面で、すでに追い込まれてしまった大城が絶対に避けたいことは何か? 三振です。何とかゴロを打とうと必死の大城に対し、低めの変化球はおあつらえ向きでした」と野口氏は指摘。「バッテリーとしては、あの場面のあのカウントでストライクゾーンへの球はいらない。高めのボール球を要求し、空振りかポップフライになればもうけもの──、というのがオーソドックスな考え方だと思います」と言う。

 さらに野口氏は「増田大が早めにスタートを切ろうとすることは予想がつくので、はっきりしたボール球を要求し、ピックオフで三塁牽制刺を狙う手もある」とも。相手の打者や走者の心理を読み切れていなかったと言うべきか……。

「ひょっとすると、ボールにするつもりがストライクゾーンに行ってしまったのかもしれないけれど、西勇の投球数が100を超え、細かいコントロールに不安があった状況を考えれば、非常に危険なコースだったことは間違いない」と野口氏はOBとして悔んでも悔み切れない様子だ。

 もちろん、味方打線が1安打1四球無得点に抑え込まれたこの試合で、バッテリーに責任を問うことはできない。とはいえ、ここ1番の詰めの部分で改めて巨人との差を見せつけられたと言ったら、厳し過ぎるだろうか。

 ペナントレースは14日で一区切り。オールスター、東京五輪開催に伴う中断期間を経て、1か月後の8月13日に再開される。次のTG直接対決は、なんと9月3日(甲子園)まで待たなければならない。近年稀に見る名門球団同士のマッチレースは果たして、どんな結末を迎えるのだろうか。

【動画】阪神OBが「理解できない」と一刀両断した決勝痛打のシーン

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