ドラ1候補・風間の魅力は153km速球だけにあらず スカウトが高く評価した点は

この冬から強化した変化球を多用、スカウトも「調子に関係なく抑えられる」

 武器の速球を生かすために、この試合では緩急を駆使した。輿石重弘監督から「チョップをするように」と指導を受けたスライダーや、レイズのタイラー・グラスノー投手の縦に割れる軌道を意識したカーブなど、冬から強化してきた変化球を多用。能代打線に的を絞らせなかった。その投球の変化に、詰めかけたスカウト陣も舌を巻く。

「プロでもやっていける力はある」。そう断言するのは、DeNA・欠端光則スカウト。「スライダー、カーブ、フォークと、多彩な変化球を投げ分けていた。5回のピンチもうまく打たせて取っていた。プロになると足を絡めるなど色々なことを仕掛けてくるが、そこに対応できるセンスはある」と太鼓判を押した。ソフトバンク・作山和英スカウトも「ここまで5回以上見てきたが良くなっている。調子に関係なく抑えられる。考えてやっている印象」と成長を評価する。

 4回1死二塁のピンチでは自己最速タイの153キロをマークするなど、力の投球で6番・秋元、7番・加藤を2者連続三振に仕留めた。続く5回は一転して変化球を多用し、打たせて取る投球にチェンジ。1死満塁を遊飛と左飛でしのぐなど、試合の中で投球スタイルを変える“野球脳”の高さも見せつけた。

 多くのスカウトから高い評価を受ける右腕だが、現在の目標は甲子園のマウンドに立つこと。「自分が無失点で抑えて、チームを盛り上げていきたい」。風間の最後の夏が、幕を開けた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY