工藤監督も「しょうがない」と脱帽 鷹打線を翻弄した楽天・田中将のピッチングの“真髄”

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

封じ込められた工藤監督も「ピッチングがうまいですね」と称賛

■楽天 6ー2 ソフトバンク(13日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは13日、本拠地PayPayドームでの楽天戦に2-6で敗れた。楽天先発の田中将の前に4安打に抑え込まれ、連勝は3でストップ。3年ぶりの前半戦Bクラスターンが決まった。

 初回2死から柳田が同級生の田中将の初球を捉え、右翼スタンドへと飛び込む22号ソロを放った。幸先良く1点を先制したものの、その後は田中将の投球に完全に翻弄された。2回から6回まではノーヒット。7回2死から甲斐、代打・明石が連打で出塁したが、得点には繋がらず。ヤンキースから8年ぶりに日本球界に復帰した田中将の前に4安打に封じられた。

 試合後の工藤公康監督も、ただただ脱帽だった。「ピッチングがうまいですね。うまく打ち気を逸らしたり、簡単にカウントを取ったり、あそこまで低めに集められると、なかなかやっぱり連打で点を取るのは難しいなと思いましたね。コントロールがいい。百戦錬磨の投手ですから。しょうがないですね」と振り返り、この日に限っては右腕の出来に白旗を挙げた。

 メジャーリーグでの7年間で78勝を積み重ねた実力が、マウンド上に凝縮されていた。ストレートは150キロ前後でも、とにかくコントロールが良い。両サイドにきっちり投げ分け、捕手の炭谷のミットが構えから大きく動くような逆球もほとんどない。投げミスとなっても、それが甘いコースに入らない。まさに“ピッチングのお手本”だったと言えるだろう。

 それでも、試合後のヒーローインタビューで田中将は「全体的にそこそこボールを操ることができた。まずまずというのが、シーズンの最初の頃よりも高いレベルに持って来れている」と語った。まだ、田中将本人にとっては上昇途中にあるという。それでいて、この投球。2年連続の日本一を狙うソフトバンクにとって、後半戦はより強敵となりそうだ。

 この日の敗戦で2018年以来となる前半戦Bクラスターンが決まり、14日が前半戦最終戦となる。工藤監督は「負けた瞬間にしっかり切り替えて、明日またいい形で終わって、後半戦に向けて時間はあるんで、課題を持って取り組んでいきたい」と語る。まずは後半戦に向け、前半戦ラストゲームを勝利で飾りたいところだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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