サイクル安打かけた打席直前でコールド勝ち 「少し残念」でも最優先する“夏の勝利”

盛岡大付・金子京介【写真:川村虎大】
盛岡大付・金子京介【写真:川村虎大】

昨秋の東北大会で山形・羽黒に7-10で敗戦、金子は最後の打者だった

 金子には、忘れられない悔しさがある。昨秋の東北大会2回戦の羽黒(山形)戦。4-10の6点ビハインドから9回に3点差まで迫ったが、反撃及ばずに敗れた。その試合を終わらせた打者が、金子だった。

「チャンスで打てなかった。自分が最後の打者だったので、悔しかったです。それからは、チャンスで打てるような打者を目指してきました」

 昨冬はウエートトレーニングで体を鍛えながら、打撃を見つめ直した。「バットを前に出すように」という意識で、溜めを作るフォームに改良。実を結んだ“猛打ショー”の活躍に、関口清治監督は「うちらしい打撃をしていた」と褒め称えた。

 中学生のころに盛岡大付の打撃に憧れ、東京・多摩市から進学してから3度目の夏。「1試合、1試合、相手は手強くなっていきますが、チャンスで打ってチームに貢献していきたい」。記録より、勝利。クールな表情とは裏腹に、胸には熱い闘志を秘めている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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