今年の台湾ドラフトは即戦力の宝庫 元ロッテ・チェンら1位指名5人は全員が元日米プロ
呂彦青は、元阪神の林威助監督率いる中信兄弟入り
一方、昨季限りで阪神を退団した呂彦青は当初、海外でのプレーを希望していたが、今年2月に味全の練習に参加した。その後は練習生契約を結び、味全2軍の一員として10試合(3試合先発)に登板。27回を投げ被安打16、28奪三振、失点3(自責2)、防御率0.67と活躍した。
6月中旬に味全との契約を終えると、中信兄弟の練習に合流。25歳と若く、先発もできる貴重な左腕とあり、上位指名が有力視される中、全体3位の1巡目で中信兄弟の指名を受け、再び黄色を基調としたユニホームに袖を通すことになった。
中信兄弟の林威助監督は、指名理由について「呂彦青には3年間の日本球界での経験がある。1軍登板は少なかったが(実際は未登板)、彼の経験は現在の投手陣にとってプラスになる」と説明。期待を示した。
呂は台湾でのプレーを決断したことに「プロ野球選手にとって最も必要なのは舞台だ。今の自分にとって台湾プロ野球はベストの選択なので戻ってきた」と説明。機会を与えてくれた中信へ感謝を示すとともに「実力を発揮し、チームの優勝に貢献したい」と意気込んだ。
呂によると、約1か月間の練習参加を通じ、チームメートとも仲良くなったという。また、阪神の先輩でもある林監督とは、日本での生活や阪神時代の練習について話をしたと明かした。
中信兄弟は、阪神同様に熱狂的なファンが多いことで知られる。呂青は「プレッシャーはない。やるべきことをやり、しかるべきパフォーマンスをみせ、自分に恥じることないプレーができればいい」と決意を示した。
起用方法については現時点では決まっていないというが、中信では後期シーズンスタート後、すぐに1軍登板ができるよう、早速、契約に向けた話し合いを進めていくという。ドラフト会議ではやや硬い表情だったが、台湾では陳と共に「微笑左投(笑顔のサウスポー)」というニックネームをもつ。台湾プロ野球の環境に慣れた頃にはリラックスした表情もたくさんみせてくれそうだ。