保護者と子で「一緒に山を登る」イメージ 意外と難しい? 子どもと“距離感”

一方的に自分の視点だけではなく「子どもにはどう見えているのか」が重要

「大人はそこで、グッとこらえられるかどうか。自分の視点に偏りすぎてはいないか、子どもにはどう見えているのか、考えるのもいいと思います。過度なプレッシャーになっていないか、子どもは親の期待に応えたいという思いが強すぎていないか。『親のために頑張ろう』ではなく、『君の人生だから、思う存分やってきなさい』と背中を押せるくらいでいいのではないかと思います」

 子どもだって人間だ。不用意な発言に傷つくこともあるし、褒められればモチベーションは上がる。言葉の力は大きい。

「私はプレーのことに関して、父から一度も怒られたこともなければ、褒められたこともありませんでした。でも、練習だけは付き合ってくれましたね。結果についても何も言ってきません。ただ、練習をちゃんとやっていないことには怒られました。心の拠り所といいますか、信頼できるパートナーという関係が父とはありました。父に教えてもらうと結果が出たりもしましたね」

 鈴木氏の母は典型的な「心配性」だった。プロに入ってからも、我が子の打席やプレーを映像で見ることができなかった。自宅のテレビで試合観戦をしていても、鈴木氏が打席に入ると、目を手で覆って、打席が終わるのを待っている。そんな母との距離感も鈴木氏にとっては適切な距離感だったのかもしれない。

「どのお母さんもそうだと思いますが、子どもには『活躍してほしい』『失敗した姿は見たくない』そう思っています。経験から言わせていただきますと、子どもを信じることが大切なのかなと思います。1番の応援団であってほしいし、支えてほしい。『常にあなたの味方だよ』と思っていてほしいです。うちの母は、僕の顔を見ただけで、何を思っているかわかっていたくらいでした(笑)」

 母の手作りのおにぎりと特製のコロッケがたまらなく好きだった。当時は気が付かなかったが、鈴木氏の場合、この距離感が野球上達につながったのかもしれない。「自立心を促すためには体験させてあげること。保護者は一喜一憂すると思いますが、黙って受け止めるのか、同じ道を歩みながら、言葉をどう表現するのか、いろいろと試した中で、それぞれの正解を見つけるのもいいかもしれません」とあくまでひとつの選択肢として、親子の向き合い方について、提案をしてくれた。

○鈴木尚広(すずき・たかひろ)
1978年4月27日、福島・相馬市生まれ。96年ドラフト会議で巨人から4位指名を受け入団。02年に原辰徳監督に才能を見出され、1軍デビュー。08年はゴールデングラブ賞受賞。同年の日本シリーズでは本塁打を放ち、シリーズ優秀選手賞を獲得した。200盗塁以上での通算盗塁成功率は82.9%と日本プロ野球記録を樹立した(当時)。2019年に巨人外野守備走塁コーチに就任。退団後は学生野球資格回復をするなど、指導者としても活躍中。右投両打。公式YouTube「Swiftrunnner」公開中。

鈴木尚広氏は今秋にスタートする動画配信サービス「TURNING POINT(ターニングポイント)」にも登場する。同サービスは元プロ選手、アマチュア指導者、トレーナーなど、野球を熟知した一流のアドバイザーがプレイヤーの技術や成長をサポートする。

【LINE】
https://lin.ee/dPKzOXj
【Twitter】

【Instagram】
https://www.instagram.com/tpbaseball_c2/
【YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCbPkt2mLv4PzRiJVGQ7LWAA

【動画】親との子の関わり方のヒントが詰まった実際のイベント映像

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY