157キロ右腕・風間の直球は「速すぎて面白かった」 昨秋2三振の男が誓うリベンジ
秋田南の下間は昨秋の練習試合で明桜・風間と対戦、2打席2三振だった
ノースアジア大明桜と秋田南が激突する全国高校野球選手権秋田大会決勝は23日、こまちスタジアムで行われる。焦点の一つは、今大会で最速157キロをマークしたプロ注目右腕の明桜・風間球打投手(3年)を、春夏通じて初の甲子園を目指す秋田南打線が攻略できるかだろう。5-3で秋田商を破った21日の準決勝で、決勝2ランを含む3安打2打点と活躍した秋田南の5番・下間拳真(けんしん)外野手(3年)は風間攻略に意欲を燃やしている。
6年ぶり4度目の決勝進出を果たした秋田南。悲願の甲子園出場へ、最大の難関となるのが明桜の157キロ右腕・風間だ。今大会、風間は17回を投げて9安打24奪三振、自責点2。18日に行われた準々決勝の秋田戦では、高知・森木大智投手、大阪桐蔭・関戸康介投手がマークした154キロを上回る“世代最速”の157キロを計測している。
両校は昨秋、練習試合で対戦。風間と対戦したその試合を、下間は今でも鮮明に覚えている。「今までに見たことない球でした。プロ野球の審判カメラから見たような感じ。速すぎて面白かった」。対戦した2打席は、いずれも直球を捉えられず三振を喫したという。
この悔しさを糧に練習を積んできた。ティー打撃は毎日1200球以上。さらに、選手に主体的に考えさせる石川聡監督の指導方針の下、自ら練習メニューを考案した。風間対策としてピッチングマシンを160キロに設定するなど、相手投手に合わせた打撃練習を取り入れた。努力が実って、準決勝では秋田商の最速143キロ右腕・高橋入麻投手(3年)から公式戦1号となる2ランを含む3安打。石川監督は「打撃の中心にいる打者。ベンチも大いに盛り上がる」と下間に信頼を寄せる。
風間は今秋のドラフト1位候補の逸材。攻略は簡単ではない。「自信があると言ったら嘘になる。ただ、どんな形でもいいから点を取って甲子園に行きたい」。昨秋の2三振からの成長の跡を、決勝の大舞台で見せるつもりだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)