帽子のツバに太字で書いた「齋藤飛鳥」 4戦連発の大砲が届けたい“アーチと純情”
帽子には「齋藤飛鳥」の4文字「可愛いじゃないですか」
帽子のツバの裏に、荒々しく、心を込めてマジックで書き込んだ文字がある。「気合」でも「努力」でも「仲間」でもない。はみ出しそうなくらい目一杯な4文字。「齋藤飛鳥」。人気アイドルグループ「乃木坂46」を支える中心メンバーの名前だ。
書いた理由は「好きだから」。アーチを放ってもあまり表情を変えない硬派な17歳だが、乃木坂46の話を振られると、途端に頬を緩める。高校2年の時に友人に勧められて以来、その可愛さに魅了された。今では毎日のようにYouTubeでライブ映像やミュージックビデオに見入る。試合前は、“推し”の齋藤さんもメンバーに入っているユニット曲「Threefold choice」を聞いてモチベーションを高めている。
「可愛いじゃないですか。力になっています」
そう言って頭をかく姿は、等身大の高校生。だが、ユニホームを着ている時は、甲子園に恋する球児。4戦連発の勢いと、推しへの思いを力に変え、あとひとつ――。決勝の相手は強敵・花巻東。夏の終わりを迎えるまでは、まだまだ遠回りしていたい。