元阪神・金本監督から激励 “鉄人”の指導が淡路島の女子野球クラブにもたらしたもの

バッティングを指導する金本知憲氏【写真提供:淡路ブレイブオーシャンズ】
バッティングを指導する金本知憲氏【写真提供:淡路ブレイブオーシャンズ】

川野秀美投手「チャレンジすることが大事という言葉が心に響きました」

“鉄人”が発する貴重な教えの数々を選手たちはしっかりと胸に焼き付けた。一昨年まで女子プロ野球の育成選手だった川野秀美投手は「失敗を恐れず、どんどんチャレンジすることが大事という言葉が印象に残りました。私自身、ビクビク野球をやっている部分があったので、すごく心に響きました」と感謝する。

 金本氏の協力は「1日特別コーチ」だけで終わらなかった。クラウドファンディングの返礼品として直筆サイン入りバットなどをプレゼントしてくれた。移動用の大型車両購入のために募ったクラウドファンディングには、地元名産の淡路牛や生パスタといった返礼品も加わり、目標の200万円を大きく突破。3月12日から4月29日の期間に、203人が278万1500円を支援してくれた。

「テレビなどに出させていただいたこともありますが、この時期にこれだけの方が支援してくださるというのは、クラブチームではあり得ないこと。本当にありがたいです」と田中監督。始める前の不安は吹き飛び、反響の大きさに身が引き締まった。現在、支援金を使って、移動の負担軽減のための29人乗りマイクロバスの購入準備を進めている。泉コーチは「全国各地から支援がありました。女子プロ野球のファンだった方もいますし、このチームを知って支援してくださった方も多いです。その人たちのために頑張ろう、もっと盛り上げていこうと思います」と決意を語る。

 女子プロ野球界を引退した田中監督と泉コーチが「島に恩返しをしたい」という思いで立ち上げたチーム。昨年は指導者2人と選手2人で活動していたが、今年は侍ジャパン日本代表の3選手らが加わり、選手は総勢14人に増えた。島のおじいちゃん、おばあちゃんや子供たち、さらには全国各地からの声援を意気に感じながら、金本氏との約束である日本一に向けて突っ走る。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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