ソフト上野、涙の金メダルに「感無量」 魂の389球「投げられなくなるまで投げてやる」
宇津木ヘッドコーチと抱き合い涙「恩返しできてよかった」
■日本 2ー0 アメリカ(27日・決勝・横浜)
東京五輪のソフトボール日本代表が27日、横浜スタジアムでの決勝でアメリカを破り、悲願の金メダルを獲得した。エースの上野由岐子投手は6回途中で一度、降板したものの、7回に再びマウンドに上がり最後を締めた。試合後、涙も流した上野は「本当に感無量です」と喜びを口にした。
上野は初回、1死からリードに中堅フェンス直撃の三塁打を浴びてピンチを背負う。続くチデスターに四球を与えたボールがワンバウンドになり、捕手の我妻悠香が後逸。走者が本塁に突入したものの、間一髪のところでアウトにして失点を免れた。
日本は4回に渥美万奈の適時内野安打で先制に成功。5回には2死二塁から藤田倭が適時打を放ち、貴重な追加点を奪った。2点のリードをもらった上野は尻上がりに5回まで無失点。6回先頭のモールトリーに左前安打を許したところで降板して後藤希友に託したものの、左腕がこの窮地を凌ぐと、7回にはリエントリーで再びマウンドへと上がった。
最終回はアリオトを左飛、アギュラーを一ゴロに打ち取って2死とすると、スポールディングも捕邪飛に打ち取り、最後を締めくくった。歓喜の時を迎え、宇津木麗華ヘッドコーチと抱き合うと思わず涙を流し「日に日にプレッシャーに押し潰されちゃうんじゃないかという姿を見ていた。恩返しできてよかった」と、指揮官への思いを口にした。
上野は今大会4試合に先発し計389球を投げ抜いた。この日は再登板という形で試合を締めくくり「途中リリーフで投げてくれた後藤が顔面蒼白でいっぱいいっぱいで投げてくれた。それが奮い立たせてくれた。このマウンドに立つために13年間ここまで来れていると思っていた。投げられなくなるまで絶対投げてやると思っていました」と語り、清々しい表情を浮かべていた。
(Full-Count編集部)