ソフト宇津木監督「怖かった」 迷いと恐怖を乗り越えて手にした金メダル
7回再登板の上野を絶賛「上野にしかできない」
■日本 2ー0 アメリカ(27日・決勝・横浜)
東京五輪のソフトボール日本代表は27日、横浜スタジアムでアメリカ代表と決勝を戦い、2-0で勝利して悲願の金メダルを獲得した。エースの上野由岐子投手が6回途中で一度、降板したものの、7回に再びマウンドに上がる力投。大黒柱を信じて送り出した宇津木麗華ヘッドコーチも「上野に感謝、感謝です」と手放しで称賛した。
日本は4回、渥美万奈の二塁への適時内野安打で1点を先制。5回には2死二塁から藤田倭が右前への適時打を放って貴重な追加点を奪った。この2点のリードを上野、後藤の投手2人が守り抜いた。
先発の上野は初回1死三塁のピンチを招いた。続くチデスターに四球を与えたボールがワンバウンドになり、捕手の我妻悠香が後逸。走者が本塁に突入したものの、間一髪のところでアウトにして失点を免れた。上野は尻上がり5回まで無失点。6回先頭のモールトリーに左前安打を許したところで、後藤希友にバトンを託して、降板した。
6回を左腕が無失点に凌ぐと、7回には上野が再びリエントリーでマウンドへ。宇津木ヘッドコーチは「上野しかできないことですから。そういう思いでした」と祈るような思いだった。大黒柱は期待、信頼に応えて試合を締めくくり、指揮官も「上野のおかげでソフトボールで優勝することが、夢じゃない、となった。上野は今回も必ずやってくれると思っていた。後藤にも経験させたかった。上野には感謝、感謝です」と絶賛した。
2008年の北京五輪に続く、13年越しの“連覇”を成し遂げた日本。宇津木ヘッドコーチは「正直いうと、この1週間、怖かったです。このご時世の中で五輪が開催されるということにも迷いがあった」と胸中を明かし「昨日、国民のみなさんが支持してくれたこと、今日、我々に1番の力になったと思う。監督は何もできない。感謝の気持ち、それだけです」と、テレビ越しに応援してくれた国民への感謝の思いを口にしていた。
(Full-Count編集部)