「原監督と1日でも長く…」決勝で敗戦の東海大翔洋、元巨人・熱血指揮官と最後の夏

大会直前の東海大相模監督就任報道、「可能性がある」と選手に伝えた

 チームを率いて6年目で初めて決勝に辿り着いた。捕手として巨人にドラフト1位で入団した元プロ野球選手。選手たちは「とにかく熱い監督」と口をそろえる。練習中はじっとしていられず、守備練習や打撃練習に加わる。体の使い方やトレーニング方法といった技術面から、力を発揮するためのメンタル面、パフォーマンスを上げる日常生活の送り方までマンツーマンで指導する。

 時にプロ野球選手の経験を交えて話をすることもある。グラウンドを離れた寮生活でも靴下を履くように指導するのは、怪我の予防と体温調整が目的。足の裏を怪我すると力が入らず、プロの選手でも気を付けていると説いた。捕手出身とあってバッテリーには思い入れが強かった。打席に入る相手打者を観察すること、打者を打ち取るために最も必要なのは球速ではなく制球と配球。経験と知識を惜しみなく選手へ注ぎ込んだ。

 今大会、エースの鈴木豪太投手(3年)が捕手のサインに度々首を振っていたが、これも原監督の教え。バッテリーの息が合っていないのではなく、高校野球では珍しい、投手が首を振るサインを捕手に出させる作戦だった。

 今大会直前、選手たちが甲子園出場と原監督への感謝の思いを強くする出来事があった。今年の選抜高校野球大会を制した東海大相模の門馬敬治監督がこの夏で退任し、原俊介監督が後任を務めると報道された。動揺する選手たちは原監督から「その可能性がある」と説明を受けた。そして「最後になるかもしれないが、悔いを残さないよう一緒に長く野球をやろう」と語りかけられた。

選手をねぎらう原監督「やってきたことに自信を持ってほしい」

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