侍J甲斐拓也の劇打に「あの場面で初球からは難しい」 工藤監督も驚きの割り切り
好守に大絶賛…10回栗林の好投も「甲斐を褒めてあげないと」
ソフトバンクの工藤公康監督は3日、PayPayドームでのエキシビジョンマッチ・巨人戦を前に取材陣に対応。2日の東京五輪・アメリカ戦で、日本の勝利に貢献したソフトバンク4選手の活躍に大満足の様子だ。
延長の末にアメリカに勝利し、準決勝進出を決めた侍ジャパン。4番手でリリーフした千賀滉大投手が2回無失点、5奪三振の力投。「6番・中堅」で先発した柳田悠岐外野手が2安打2打点。そして延長10回には代打出場した栗原陵矢捕手が五輪初打席で見事に犠打を決め、甲斐拓也捕手がサヨナラ打。ソフトバンク勢が揃って勝利に貢献した。
工藤監督は「ホッとしましたよ。4人が4人ともいい仕事してくれて。柳田君は(同点のチャンスで)よくバットに当てたし、千賀君も1イニング目はフォークがよく落ちてたし、少しずついい感じがつかめているんじゃないかな。それにしても栗原君はあそこでよく決めたよね」と興奮気味にまくし立てた。
最も力を込めて語ったのが、試合を決めた甲斐の一打だ。栗原の犠打で1死二、三塁としたところで、アメリカは中堅手を二遊間に置く内野5人シフトを敷いた。工藤監督は「内野が5人になった瞬間に、(相手の投球が)低めの変化球ってすぐにわかった」と笑いながらも、甲斐の対応力をこう称える。
「あそこで逆方向にもっていけばボールは上がりやすい。『よし、こうやって打とう』とうまく切り替えたのは良かったと思います。強引にいけば内野ゴロにしかならないしね」
さらに初球で決めたことについても「腹をくくらないと初球からはいけない。あの場面で初球から振るのは難しいと思います。もしも凡打だったらと考えたらね。よっぽど『この球をこうやって打つ』と決めないと振れないですよ。それか、まったく何にも考えてなかったか、のどっちかですね。考えないのも悪いことじゃないですよ。とにかく来たら打つってシンプルにね。拓也はどっちかのいい選択をしたんだと思います」と絶賛だ。
もちろん扇の要としての働きも、侍のメダル獲得には欠かせない。「(10回表を)栗林くんがよく抑えたけど、あそこのリードは甲斐を褒めてあげないとね」と、高く評価していた。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)