五輪初出場、初球でバントを決めた侍J栗原 元コーチが「勝ったな」と確信した瞬間
「監督に『打っていいですか』と聞きに行ったことが大きかった」
そして、勝負を決めたのは甲斐だった。1死二、三塁というセーフティスクイズやスクイズといった作戦も考えられる中で初球を弾き返してみせた。この甲斐の一打に飯田氏は「監督に『打っていいですか』と聞きに行ったということですが、これが大きかったと思います」と、打席の前に稲葉監督と甲斐の間でコンセンサスが取れたことが、サヨナラ打を生んだと指摘する。
この場面を飯田氏は「本人的にはセーフティバントとかスクイズとかがやっぱり頭をよぎったと思うんです」と読む。ベンチの思惑として作戦があるのか、ないのか、打者は頭に入れて打席に入るもの。打席に入る前に指揮官との間で“迷い”を打ち消したことで「中途半端に打席に行ってサインを見るよりは、自分から聞きに行って『打っていいですか』って聞いたことでやっぱり吹っ切れたんだと思います」と分析した。
飯田氏は通算106犠打を決めてきた現役時代の経験談から「僕もああいう場面でスクイズとかサインを出されるバッターだったので、迷っている時は聞きました。どうすればいいですか、打ってももいいですか、と。サイン出るかもしれないよと伝達してもらえば切り替えができるので。迷いながら打席に行ってたら、初球の甘いのも見逃しちゃったりとかするので、それは本当に聞いたのは正解だと思います」という。打席の前で明確に道筋を示した甲斐とベンチの“好プレー”だった。
(Full-Count編集部)