五輪辞退、苦渋の決断を下した台湾が2か月ぶりリーグ再開 有観客での開催目指す
7月13日に台湾プロ野球が再開、無観客もファンはテレビを通じて観戦
7月13日、台湾に56日ぶりに球音が戻ってきた。この日、台湾南部・台南市の台南球場では楽天モンキーズと統一セブンイレブンライオンズの試合が、中部・雲林県の斗六球場では味全ドラゴンズと富邦ガーディアンズの試合が行われた。無観客で開催され、ファンはテレビを通じての観戦となったが、プロ野球再開は巣ごもり生活が続き、気持ちがふさぎ気味だった人々を元気づけた。
台湾プロ野球は昨季コロナ禍の中、プロ野球リーグとして世界に先駆け開幕し、有観客試合も最初に行った。台湾プロ野球を運営するCPBL(中華職業棒球大連盟)は今季も、台湾の新型コロナウイルス対策本部、中央感染症指揮センターの専門的な判断に基づき、防疫対策を行ってきた。今季は開幕から、場内でのマスク着用を義務付けたうえで、座席での飲食は可能とし、入場者の上限も収容人数の78%と、昨季の台湾シリーズ並みに引き上げ、開催してきた。
しかし、5月11日、クラスターを含め、感染経路が不明な感染者が複数発見された。昨年、台湾では約8か月間に渡って市中感染が発生していなかったこともあり、人々に大きなショックを与えた。中央感染症指揮センターによる「感染状況警戒レベル」2級への引き上げを受け、CPBLは「梅花席(梅の花の形のように指定席の前後左右を空席とする座席配置)」の実施、観戦中の飲食の禁止などを決定した。当初、飲食禁止にはファンから戸惑いの声も起きたが、翌12日、感染者数がさらに増えたため、無観客となった。
市中感染の拡大は止まらず、5月15日、感染者が特に多かった北部の台北市と新北市の「感染状況警戒レベル」が、4段階の内、上から2番目の3級に引き上げられ、15日、16日に両市で開催予定だった試合が延期となった。そして、17日、CPBLはその週の全試合の延期を決定、さらに19日、「感染状況警戒レベル」が台湾全域で3級となったことを受け、台湾プロ野球は1軍、2軍ともに休止となった。