佐々木朗希が語る2年目の現在地 新フォームへの挑戦、剛速球に得た課題と手応え

公式戦未登板の中、春先に新フォームへの挑戦…抵抗は全くなかった

 今春のキャンプ前から、オリックスの山本由伸投手らも取り入れているやり投げのトレーニングを行い、テークバック時に腕を伸ばし、肘からトップへ上げる投げ方に変更してみたりもした。まだ公式戦に一度も投げていない状況での新しいフォームへの試みだったが、抵抗は「なかったです」と即答する。

「学生時代から、その時その時で自分のフォームに納得していなかった時に変えていたので」

 高校時代からプロ野球選手のフォームを参考に、自分に落とし込み、163キロを生み出すフォームを作り上げた。研究熱心な19歳は、プロになっても躊躇は一切なかった。

 今季は肘のほか、下半身の使い方にも焦点を当てている。「力に頼らず投げられるように下半身のパワーを生んで、無駄なく力をボールに伝える練習をしています。感覚的なことですが、体の仕組みとか、どういう体勢で力が入るのかというのはコーチと話し合いながらやっています」。日々、メカニックについて考え、進化を模索している。

 今季は「投げること」をテーマに掲げる。「後半戦はなるべく試合数を投げれるようにして、今年中には(公式戦で)中6日で投げれるように準備したいと思います」。投げる事でしか得られないことを得ていくシーズンに。球界のエースに成長するために、怪物は一歩ずつ、着実に歩みを進めている。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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