西武・辻監督の息子も常連客 メットライフDに出店した米野智人氏が“師”に寄せる思い

メットライフDのお店には辻監督の息子・ヤスシさんが訪れるという

 常勝チームでレギュラーとして出場を続けた名選手の言葉に重みを感じ「全ては自分次第。頑張らなきゃな」と思った。

 結果が出ずに苦しい時もあったが、17年という長い間プロの舞台でプレーした。2012年には、今もファンの記憶に残る逆転満塁本塁打を放つなど、勝負強いバッティングを見せた。「1年目にあの言葉を言ってもらえて良かったです」。ルーキーイヤーに何度も言われた言葉が、米野さんの原点だった。

 一塁側外周コンコースにあるお店には、多くのファンが訪れる。常連客の中には、辻監督の息子・ヤスシさんがいる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、店をオープンさせたことを辻監督に直接報告できていないが、ヤスシさんを通じて激励の言葉をもらった。嬉しかったが、チームの調子が悪いときは元気がないという話も聞いた。

「プロの世界ですから、相手チームも強い。勝ったり負けたりするのは当然ですが、どうしても勝敗に左右される。監督は特に責任が重い。『精神的に大丈夫かな。ストレスとか大変かな』と心配になることもあります。体調だけには気を付けて、元気でいてもらいたいと思っています」

「BACKYARD BUTCHERS」は、現役時代に学んだ食の知識を生かしたヘルシーなヴィーガン料理専門店だ。「責任を感じるけど、監督にも食べてもらいたいな」。そう笑顔を見せる米野さん。第2の人生は、現役時代にお世話になった人や応援してくれたファンに、食を通じて恩返しをしていくつもりだ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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