「まだ自分は上の舞台でやりたい」 最速157キロ明桜・風間が敗戦も涙しなかった訳
明徳打線の粘りに「真っすぐだけでは勝てないと学びました」
今秋のドラフト1位候補に挙がる明桜(秋田)・風間球打投手(3年)の最後の夏が終わった。22日、第103回全国高校野球選手権大会の2回戦で明徳義塾(高知)と対戦し、今大会最速となる152キロをマークしたが、6回6安打2失点で降板。試合後はプロ志望を明言し「まだ自分は上の舞台でやりたいと思っている」と涙はなかった。
序盤から明徳打線の“粘り”に苦しめられた。低めの変化球を見極められ、自慢の直球もファウルでカットされ球数を費やした。3回に一塁内野安打で同点に追いつかれると、5回は1死から左中間フェンス直撃の三塁打を浴びると、2死三塁から150キロの直球を右前に弾き返され勝ち越しを許した。
6回で降板となり球数は139球。試合後は「真っすぐたけでは勝てないと学びました」と反省を口にし、152キロをマークしたことには「球速は少し更新できたがキレとかが足りない。悔いが残ってます。(大会)最速も出したかったがまだまだ実力がないので、今後磨いていきたい」と振り返っていた。
それでも悲願の甲子園に出場し初戦では帯広農(北北海道)に9回2失点で完投勝利。2試合を全力で戦い抜き「大舞台で出来たのは嬉しい。自分の投球も少しは見せられたのかなと思う」とようやく笑顔が見えた。
悔しさもあったが、涙は見せなかった。自身を冷静に分析し「ここで悔しがったら……。まだ自分は上の舞台でやりたいと思っている。ここで課題を見つめ直してやっていきたい」。プロから注目を浴びる大会No.1投手は「できれば上の舞台で戦いたい。変化球でストライク、空振りを取れるように、精度を上げられるように頑張りたい」と、プロ志望を明言した。
甲子園での通算成績は2試合に登板し15回を投げ13安打4失点、18奪三振。世代最速となる157キロで高校球界を沸かせた右腕、今大会で見えた課題を克服し次なるステージでも輝き続ける。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)