“史上初”女子の甲子園で感じた希望 球場から伝わった選手たちのメッセージ

第1回大会は5チームだった、変わっていく女子野球界

 今回で25回目を迎えた全国高校女子硬式野球選手権大会。参加40チームと今でこそチーム数は全国的に増えたが、第1回はたった5チームの出場のみだった。この甲子園開催でチームがさらに増える可能性はある。優勝した神戸弘陵・石原康司監督も「野球人口の底辺拡大。(女子硬式野球部がある)高校が増え『甲子園でやりたい』となれば、盛り上がってくると思う。そう信じています」とこの歴史的な一戦が持つ意味を会見で伝えた。甲子園で毎年のように開催するのは難しいかもしれない。だが、少女たちが夢を持つことができる環境づくりを、今回のように野球に携わる人たちの手で作っていってほしいと願う。

 西武や阪神など、近年はNPB球団がバックアップするチームも出てきたとあり、女子野球の見え方は変わってきている。さらに踏み込んで、NPB球団が女子選手たちの雇用や給料を持つ仕組みになっていくことができれば、プレーヤーにとっての夢はもっと広がっていく。

 小学生の野球チームで、女の子がプレーしているのは当たり前の時代となった。間違いなく女子野球の人口は増えている。島野投手は小さい頃から「女の子が野球やっているの?」と言われる現状を打破したいと切に願っていたという。その右腕で時代を変えることができたのではないだろうか。

 女子野球のスケールがさらに大きくなるために、夢を夢で終わらせぬよう、この歴史的一戦から、未来が大きく動き出すことを期待したい。彼女たちのメッセージは甲子園から次の世代へ発信された。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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