「負けさせてしまった」サヨナラ負けの敦賀気比・東監督が悔いた「采配ミス」
東監督が悔いたのは先制のチャンスを逃した5回の攻撃
東監督の後悔の1つは投手の交代時期、そして、5回無死一、二塁の先制機での作戦だった。5回は9番の本田克(3年)に送りバントを指示したが、見逃しのストライクとファウルなどでカウントは3ボール2ストライクに。一転してバスターのサインを出したが、あえなく投ゴロ併殺打に終わった。
なおも、2死三塁で1番の東鉄心(3年)はセンター後方へ鋭い飛球を放ったが、中堅手の好守に阻まれて先制点を取れなかった。「しっかりバントで送らせておけば、違う展開になったかもしれない。僕の采配ミスで負けさせてしまった。もう少しうまく攻められた試合だった」と語った。
2008年から同校のコーチを務め、2011年に監督に就任した東監督。東京五輪で侍ジャパンの主力として活躍した吉田正尚外野手(オリックス)、西川龍馬外野手(広島)らを指導し、2015年春には選抜優勝へ導いた名将。今年は夏初優勝へ手応えを感じていたが、惜しくも及ばなかった。
2番手で投げた吉崎は「(優勝は)手に届く位置にあったと思います」と涙を拭った。ベンチ入り18人のうち、2年生は4番の上加世田頼希と途中出場した捕手の渡辺優斗の2人だけ。東監督は「コロナ禍でいろいろ規制されながらの高校野球生活だったが、3年生は誰1人諦めず、最後に甲子園で輝いてくれた」と称えていた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)