「肩身狭い思いも…」 智弁学園・小坂監督が語る“智弁決勝”で負けられぬワケ
殊勲の小畠は「こちらが本校なので負けるわけにいかない」
第103回全国高校野球選手権は28日、阪神甲子園球場で準決勝が行われ、第2試合では智弁学園(奈良)が京都国際(京都)に3-1で競り勝った。29日の決勝では第1試合で勝った智弁和歌山(和歌山)と対戦する。決勝で“智弁対決”が実現するのは史上初だ。
智弁学園は両軍無得点で迎えた4回、1死一、三塁で7番・植垣洸(3年)がスクイズに失敗。しかし、その後、植垣が四球を選んで2死一、二塁とすると、先発した小畠一心(3年)が自ら左翼席へ先制3ランを打ち込み、3点を先行した。
小畠は「たまたまです。誰も僕には期待していなかったと思います」とニヤリ。小坂将商監督は「今日は本当に選手の力です。自分自身はスクイズも外され、(監督として)機能しなかった」と頭を垂れた。小畠は投げても、3安打2四球1失点の安定ぶりで完投勝利。背番号1の西村王雅(3年)を温存できたことは、28日の決勝に向けて好材料だ。
決勝は史上初の“智弁対決”に。小畠は「ユニホームが似ていて(見ている人は)どちらか分からないと思いますが、こちらが本校なので負けるわけにはいかない」。小坂監督はさらに気合が入っており「ずっと比べられてきて、向こうの方が成績が良くて肩身の狭い時期もあった。自分にも意地があるし、プライドがある。絶対に負けられない気持ちがある。粘り強く戦って勝ちたい」と語った。
智弁学園は1965年創部だが、1979年創部の智弁和歌山が1994年春に全国制覇を達成。1997年と2000年には夏の甲子園を制している。一方、智弁学園は2016年春に優勝したが、夏の決勝進出は初めてだ。これまでの夏の最高成績は小坂監督が主将を務めた1995年のベスト4。兄弟校対決だからこそ負けたくない。
(Full-Count編集部)