7点差追いつける西武・山賊打線 辻監督は先発投手に苦言「痛いどころじゃないよ」
栗山はスライディングキャッチ、愛斗はダイビングキャッチでも援護
悔まれるのは先発の今井達也投手の乱調。今季は6勝、試合前の時点でリーグ4位の防御率2.80をマークし成長のあとを見せているが、好不調の波が大きい。この日は、いきなり初回に3安打2四球と1犠飛で4点を失った。3回には王柏融の7号ソロと石井の適時三塁打を献上。5回にも高濱の7号ソロを浴び、5回7安打4四球7失点といい所がなかった。辻監督は「痛いどころではないよ。だいたいウチの先発投手はみんな立ち上がりが甘い。もうちょっとしっかり、立ち上がりから全力でいけるように調整してくれないと」と嘆くことしきりだ。
制球を乱すことが多い今井は、無駄な力みを除いた“リラックス投法”を確立しようと模索しているところだ。それでも、指揮官は「リラックスして投げているのは分かるけど、リラックスの仕方を間違えている」と一刀両断。「投手コーチとしっかり話をしてほしい」と苦言を呈した。
そんな序盤のつらい守備の中でも、1回無死二、三塁で高濱が放った左前の飛球を栗山がスライディングキャッチ(犠飛)。2回先頭の石川が右中間へ放った痛烈な当たりも、右翼の愛斗がスーパーダイビングで好捕した。
「だからね、ああいう展開になっても、打たせればバックが助けてくれるわけだから。しっかり感謝して、先発投手は1週間の調整に生かして、それだけの内容を見せてくれないと。それだけの責任がある。野手が毎日一生懸命戦っていることを感じて投げてほしい」。辻監督の投手陣への注文は続いた。
2018、19年にリーグ連覇した時も「打高投低」の傾向が強かった西武だが、今井、高橋光成投手、渡邉勇太朗投手ら若い先発投手は確実に育っている。なんとかもう1枚殻を破ってほしいところだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)