決勝で敗れても「何ひとつ後悔はない」 智弁学園・前川の完全燃焼を叶えた“兄の叱咤”
今大会は2本塁打7打点「ここまでこれたのもチームメートの協力があったから」
再び戻ってきた甲子園の舞台。春との違いは結果に表れた。2回戦の横浜戦では、バックスクリーンに飛び込む2ランを放つと、日本航空(山梨)との3回戦でも2戦連発となる右中間への2ラン。終わってみれば、打率.455、2本塁打、7打点の活躍。初の決勝進出に大きく貢献した。
自覚は、試合後の行動にも出た。この日の9回2死、ネクストバッターズサークルで待機していたが、代打・足立風馬内野手(3年)が三振に倒れ、打席が回ってくることはなかった。「前を向け」。自分があと1打席立てなかった悔しさを押し込め、うなだれる足立に声をかけた。整列後も、涙する仲間たちを励まし続ける。「ここまでこれたのもチームメートの協力があったから。チームが勝ちにつながるような行動を大事にしてきました」。最後の最後まで、思いを貫いた。
思い残すことなく、視線は次の舞台を向く。「プロの世界に行って活躍したい」。チームを背負ってきた強打者は、自らの夢を叶えにいく。
(Full-Count編集部)