飛躍につながったカッターが諸刃の剣となった皮肉 菊池雄星、復調への糸口

95球中62球がストレート「改めてインコースの大切さを感じました」

 この日、菊池はアストロズ打線に対して95球を投じ、その65%となる62球がストレート。カットボールはわずか9.5%の9球。今季初勝利を挙げた同チーム相手の4月29日(同30日)の登板では、カットボールが全投球の約50%を占め、ストレートは約20%の比率だった。

 ストレートの最速は97マイル(約156キロ)を計測。8月20日(同21日)の前回対決で本塁打を浴びた4番アルバレス、5番グリエルには要所で臆することなく内角へ意思がこもった球を投げ込んだ。「今日は改めてインコースの大切さを感じました。バッターが嫌がることをしながら投球の幅を広げていきたい」。ファウルゾーン、空振りゾーンにも配した頭脳的な力勝負が今後に期待を抱かせる。

 順当であれば次回登板は9月6日(同7日)。相手は、またもアストロズ。

「僕らは追い上げる立場で、また投げられる。2回連続でどんなピッチングができるか、今から楽しみです」

 打率、出塁率、OPSリーグトップの強力打線をカットボールに頼らない投球で無失点に抑えた菊池雄星は、根拠のある自信を胸に、8勝目を目指す。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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