“教えすぎ”は選手にとってプラスか 名スコアラーの転機となった原監督からの一言

巨人でスコアラーを務めた三井康浩氏【写真:中戸川知世】
巨人でスコアラーを務めた三井康浩氏【写真:中戸川知世】

開始から終了まで選手の配球は頭に入れる理由とは?

「自然と野球を勉強するようになりますよね。自分は選手へそのようなアドバイスをするので、プレーボールからゲームセットまで選手の全部の打席内容を覚えるようになりました。選手は平気で『三井さん、あのー、2打席目の3球目の僕の見逃し方、どう思いましたか?」って聞いてくるので。気が抜けません(笑)」

 三井氏は巨人軍を離れた今、野球スクールなどで多くの少年野球の子どもたちを指導している。高いレベルの子どもたちには、最初にミーティングを入れている。試合の時の考え方や相手投手、打者の考え方などを説明から入る。実際の練習でも試合の状況をイメージさせながら、打席に入らせたりしている。

「これは野村克也さんも言っていたんですが、試合が始まってしまうと野球って暇なスポーツなんです。なので色々なところを勉強する時間に充てないといけない。ボーッとしながら、『アイツ、いいバッティングしているな』『いい球を投げるな』とか、見ているだけでは、なかなか上達しません。予想をして組み立てて、データや情報から知識も得てもらいたいですね」

 選手やスコアラー、編成担当として巨人軍には約40年にわたり、巨人の勝利を追い求めてやってきた。今でも球団へ感謝し、現役時代から知る首脳たちの活躍を願っている。そして、少年野球に目を向ける時間も多くなった今はこれまでの経験を生かして、一流を伝える野球の伝道師として汗を流している。

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