元阪神・林威助監督、就任1年目で台湾リーグ前期制覇「プレッシャーは大きかった」

林威助氏は3年間の2軍監督を経て今季から1軍の指揮を執る

 一方、昨季の台湾王者である統一は休止期間中に、チーム勝ち頭のテディ・スタンキウィッツ投手が東京五輪メキシコ代表入りを理由に退団したほか、7月下旬には主力先発投手の古林睿煬が指先の皮が剥けた影響で離脱するなど投手力がダウン。勝負どころで攻守に脆さも見せ、昨年後期に続く半期優勝はならなかった。

 3年間の2軍監督を経て、昨年12月に中信の1軍監督に就任した林監督は、就任最初の半期シーズンでチームを優勝に導くこととなった。最も苦労した点を問われた指揮官は、投手起用だったと説明。「先発が安定せず、中継ぎに負担をかけたが、彼らが安定した投球をしてくれたことで何試合も逆転勝利を収めることができた。これこそチームプレーの精神だ」と救援投手の奮闘に感謝した。

 さらに「プレッシャーは本当に大きかったが、我々はチーム一丸となって乗り越えた。選手たちをねぎらってほしい。とにかく今はぐっすり眠りたい」と笑った。

 台湾プロ野球は、前期と後期の優勝チームが台湾シリーズを戦う。ただ、前後期ともに同じチームが優勝した場合、前後期の優勝チーム以外が年間勝率1位となった場合にはプレーオフが行われる。前期優勝を遂げた中信は少なくともプレーオフ進出の権利を手にした。直近7年で台湾シリーズに6度進出しながらいずれも優勝を逃している。林監督には、兄弟エレファンツ時代の2010年以来、11年ぶりとなる“台湾一”の期待が寄せられている。

 なお、注目のドラフト1位、元阪神の呂彦青(ル・イェンチン)投手は後期の5試合目、8月29日の統一戦で初登板。1点ビハインドの8回2死1塁でマウンドに上がり、ショートライナーに打ち取った。林監督は、台中インターコンチネンタル球場で行われる主催試合で先発起用する可能性も示唆した。また、2軍にはロッテと阪神でプレーした高野圭佑投手が在籍している。デポーラ以外の1軍外国人投手に今ひとつ信頼感がない中、しっかりアピールして1軍昇格の機会をつかみたい。後期シーズンの戦いぶりにも注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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