優勝争いが混戦になるほど「巨人有利」になる? 専門家が注目する“原監督の十八番”

負けない試合を作る打線の粘りと“マシンガン継投”

 また、試合の中で失点を最小限に抑える効果を発揮しているのが、原辰徳監督が得意とする小刻みな“マシンガン継投”。3日の阪神戦では、珍しく裏目に出た。2点リードで迎えた7回、先発の戸郷が大山に同点2点適時二塁打を許すと、なおも続いた無死二、三塁のピンチで変則左腕の高梨を投入。しかし、代打サンズに対し、ボールが2つ先行したところで申告敬遠し、右腕の鍵谷と交代した。結局、鍵谷も中野に勝ち越し3点適時三塁打を浴びた。

 それでも、継投で勝ってきた経験値は、シーズン最終盤で生きそうだ。野口氏は「今季はコロナ禍の特別ルールで9回打ち切り。延長戦を考えなくていいので、存分にリリーフ投手を継ぎこめる。原監督は今季限りのルールを上手に利用していると思います」と指摘する。優勝争いが混戦になればなるほど、原巨人の“引き分ける力”がじわじわと効いてくる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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