大谷翔平ならぬ「彼は“ウォンタニ”だよ」 韓国ロッテが“破格の実験”…期待の27歳
2016年に入団した元捕手、軍服務終え外野手転向→二刀流へ
韓国プロ野球に二刀流選手が誕生する可能性が高まっている。ロッテのナ・ウォンタク外野手が1日、今季初めて1軍に昇格。ラリー・サットン監督は「投手としても出場できるし、指名打者や代打でも出られる。彼は“ウォンタニ”だよ」と投打両方での起用を明言した。韓国メディアの「OSEN」などが伝えている。
ナ・ウォンタクは2016年にサムスンに入団し、翌年ロッテに移籍した27歳。身長183センチ、体重93キロという堂々とした体躯を誇り、元々は捕手だった。2019年から現役兵として陸軍に入隊、服務を終え昨季ロッテに復帰した。今季からは打力を生かすために外野手へ転向し、さらに今夏、球団から投打兼業をやってみないかという提案を受けた。
「ウォンタニ! ロッテが破格の実験をスタート」と題された記事によれば、8月の五輪中断期間後に二刀流でのプレーを開始した。8月11日の2軍戦では本塁打を放ったあと、9回のマウンドに上がり1回無失点でセーブを挙げた。投手としては5試合に投げ、1勝1敗1セーブ、防御率2.08。登板した5試合では全て、打者としても出場している。1軍選手相手の紅白戦では、直球の最速が145キロを記録。投手として投げるのは小学校以来だが、徐々にフォームも体になじんでいるという。
サットン監督は「2軍で投打ともに成長した姿を見せてくれたので、投打兼業で行こうと決めた」と話し、特に剛球を生かしたリリーフ投手として期待している様子だ。
さらに記事では「ロッテの実験が成功した場合、大谷のように投打両方を支配する選手ではなくても、ベンチ入り枠の運用がスムーズになる。潤滑油のような選手に位置付けられる」と、ベンチ運用を楽にしてくれる存在として期待している。もし成功すれば追随する球団が出る可能性もあり「ウォンタニの実験は、全てが満足できる結果につなげられるだろうか」と結んでいる。
韓国プロ野球では1982年のリーグ創立直後、選手不足から投打で戦力として活躍した選手がいた。1982年にキム・ソンハン(ヘテ)が投手として10勝5敗防御率2.79、打者としては80試合で13本塁打、打率.305という大車輪の活躍を見せたことがある。
(Full-Count編集部)