「初めて絶望を味わった」19歳“令和の野球女子”が語る挫折と女優に生かす経験

女優業に生きる野球の経験「7年間やっていたことが無駄ではなかったんだと」

 今は女優のお仕事をしていますが、野球での経験が生きていると思います。上下関係やあいさつ、礼儀というのは全て野球で学びました。それに、「ハチナイ」のCMやドラマで野球をやらせていただいたことで、私が7年間やっていたことが無駄ではなかったんだと思えました。野球から逃げてしまって、後悔していたし、申し訳ない気持ちがあったんです。それが昇華された気がします。

 今年、初めて女子高校野球の決勝が甲子園で行われました。夢のような、ものすごい出来事です! 男の子には“甲子園に出る”という目標がありますが、女の子には叶えられない。実は、私が中学のときに入ったボーイズのチームも、女の子は入れなかったんです。すごくお願いして、やっとの思いで入れてもらえたので、甲子園でプレーできるのは、純粋にうらやましいです。来年もぜひ甲子園でやってほしいです。テレビ中継も楽しみにしています。

 男の子の中に女の子ひとりでプレーすることがつらかった時期もありましたが、野球をやめたことも後悔していました。男の子よりも上手になれないという理由でやめてしまいましたが、それは当たり前で自然なこと。今、野球に打ち込んでいる女の子にも、男の子に勝てなくて悔しいと思うことがあると思います。「女の子なのに野球をやっているなんて」と言われることもあるかもしれません。そういうものを全て跳ね返すくらい、自分の好きな野球をやりたいだけやってほしいなと思います。

○池田朱那(いけだ・あかな)
 2001年10月31日、群馬県生まれ。兄の影響で小学校1年から中学校1年まで野球に打ち込んだ元野球少女。2019年に放送されたゲームアプリ「八月のシンデレラナイン」のCMで華麗なプレーを披露し、“令和の野球女子”と注目される。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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