楽天本拠地で“まつり”開催 立花社長が語る狙い「東北に行ったかのような体験を」
14~16日のオリックス3連戦と18~20日のソフトバンク3連戦で開催
楽天は、本拠地・楽天生命パーク宮城で行われる14~16日のオリックス3連戦と18~20日のソフトバンク3連戦で「東北ろっけんまつり」を開催する。懐かしの「えんにち」や「まつり」ステージなどのブースが多数並び、美味しい食べ物や物産品、工芸品など東北6県の魅力を「観て」「食べて」「聞いて」体験できるさまざまな催しを行う。イベントを前に、楽天野球団の立花陽三社長が取材に応じた。
立花社長は冒頭、この企画を立てた背景を説明。コロナ禍で約2年もの間、夏休みに思うような時間を過ごすことができない子どもたちに、夏の最後の思い出としてワクワクするような体験を提供したいという考えを挙げた。さらにこう言う。
「東北を代表とするプロスポーツチームとして何ができるのか考えた時に、安全安心のスタジアム運営を徹底しながらも、楽天生命パーク宮城で、東北の各地に行ったかのような体験をし、東北が誇る“まつり”を満喫してほしかった」
東北の夏といえば、青森のねぷたまつりや秋田の竿燈まつり、そして仙台の七夕まつりなど、個性的で大規模な行事が多いことで知られているが、コロナ禍で中止や規模縮小を余儀なくされたケースは多い。こうした6県のまつりを集め、スタジアム正面ステージで演目のお披露目や、GATE1前での展示を行う。さらには、東北の食や郷土体験もともに発信することで、コロナ禍で疲弊している東北各地の生産者や飲食店、観光業界を少しでも応援していきたいという考えだ。
立花社長が「非日常空間を体験できる1日に」と力を込めて話す先には、いつもの夏であればよく見られる光景も描いている。金魚すくいやヨーヨーすくいなど、日本の伝統的なまつりの屋台やアトラクションのような光景が非日常になってしまったことへの憂いもあるが、あの高揚感や特別感の追体験ができる機会は得難いものになる。
「10年後、20年後に、東北を代表するビッグイベントになっていてほしい」との願いは、こうした伝統や文化の継承と、新しく構築していくものとの両輪でこそ達成されそうだ。プロ野球界では新興球団である楽天野球団ならではのバランス感覚が垣間見れるのではないだろうか。