オリ25年ぶりVの救世主になるか 吉田正離脱の窮地に戻ってきた“悲劇”を知る男

2014年にソフトバンクと優勝争うもあと一歩で涙をのんだ

 オリックス最後のリーグ優勝は、あのイチロー氏が3年連続MVPに輝いた1996年にさかのぼる。その後、2014年も伝説的なシーズンとなった。

 この年、森脇浩司監督(現ロッテ野手総合兼内野守備走塁コーチ)に率いられたオリックスは混戦の中、9月25日には残り試合数の関係で2位でありながらマジック7を点灯させた。10月2日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム=現PayPayドーム)は、ソフトバンクが勝てば優勝、オリックスが勝てば残り2試合でマジック1が点灯するという大一番だった。

 延長にもつれ込んだ試合は、10回に松田宣浩内野手にサヨナラ打を許し、オリックスは涙を飲んだ。T-岡田はこの年、4年ぶりに20発をクリア(24本塁打)するなど活躍したが、大一番では4打数ノーヒットに終わっている。

 あれから7年。チームで2014年を知る選手は、平野佳寿投手、比嘉幹貴投手、安達了一内野手らを含め少数になったが、ようやく悲願成就の好機が訪れている。当時の森脇監督がロッテのベンチにいてライバルとして相対していることも因縁めいている。若手の成長が目覚ましいオリックスだが、25年ぶりの優勝へシーズン最終盤の勝負所で頼りになるのは、やはり経験豊富なベテランの力だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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